あの日、あの場所で、
あなた方が私達を救って下さってから二年が経ちました。
人々の混乱は大分収まりましたけれど、まだまだ課題は山積みです。
わたくしもバチカル王室の一員として、日々忙しくしております。
けれど、やはり思い出してしまうのです。あなた方の事を。
アッシュ。
決戦の前にあなたがいなくなった事を聞いて、
わたくしは頭が真っ白になりました。
その為に、他の皆様をも危険な目に合わせてしまうという、
民を守る者として、あるまじき行為を行ってしまいました。
大佐にたしなめられるまで、自分の事しか考えていなかった自分を、
今はとても恥じています。
こんな事では、あなたの意思を継ぐ資格が無いと、
あなたに怒鳴られても当然ですわね。
でも・・・やはりあなたがいないと考えるのは、私には辛すぎるのです。
アッシュ。
私はあなたとの約束を、あなたに満足して頂けるほどに果たせておりますでしょうか?
ルーク。
もうすぐあなた方の成人の儀が執り行われます。
叔父様も叔母様も、受け入れ難い事実との決別をしようとなさっているかのようにお見受けします。
儀式への招待状は他の皆様にも出しました。
けれど、バチカルにはいらっしゃらないように思います。
わたくしは、まだ信じたいのです。
あなたが運命を覆してくれる事を。
恐らく、他の皆様もそう思っているのではないでしょうか。
ティアもガイもアニスも大佐も。
ルーク。
本当にあなたは変わりました。
そしてわたくしに、血縁以上の、親子の絆の大切さを教えてくれました。
新しいあなたに、お父様を支えて欲しかった。
二人で、アッシュの願いを叶えていきたかった。
アッシュの代わりではなく、わたくしの最愛の「友」として。
アッシュ、・・・いえ、ルーク。
約束は必ず守り通すと誓います。わたくしの一生をかけて。
例えわたくし一人になろうとも。
それが国を統治してゆく者の務めですものね。
わたくしが弱くならない様に、志半ばで折れてしまわぬ様に、
そこからずっと見ていて下さいませね。
わたくしの、最愛なる、ルーク。