「ティア。ヤツは帰ってくる。約束したじゃないか。」
ガイはぽん、とティアの肩に手を乗せた。
「それに、俺も約束する。ホドを必ず復興させてみせる。」
ガイは力強くもう片方の手の拳を握り締めた。
「そして復興した暁には、改めて君を迎えにいくよ。いつか必ず。君が待ちくたびれない前に、ね。」
そう言ってふと気付くと、向き合ったティアの眼がまんまるくなっている。
はっと我に返ったようにガイが言う。
「・・・あ!!な、な、なんかこれじゃ俺、まるでティアにプロポーズしてるみたいじゃないか!」
ガイの顔が一気に真っ赤になる。
「いえ、それより、その手・・・」
とティアは肩に置かれたガイの手を指差した。
「ガイ!克服したのね?!」
「あーっ!!」
と叫んで、ガイが慌てて手を退けた。
「かかかかか完全ではないけどね!だだだだ大分前よりましになっただろう?!」
「・・・・そ、そうね。」
ガイの慌てっぷりを見て、ティアが笑った。
それがとても美しい表情だったので、ガイは気を取り直して言った。
「・・・ティアの笑顔は、本当に綺麗だな!」
ニコニコしている。
ほんとにこの人はこういうセリフがさらっと言えるんだから。
(詐欺よね)などとティアが考えていると、
「ティアの心からの笑顔で、早くあいつに会わせてやりたいよ。」
ポツリとガイは言った。
<終>