「・・・え?」
途端にアリエッタの表情が曇る。
「けれど心配してはいけないよ。ほんの少しの間だけだから。その時期が過ぎればまた会えるんだからね。」
「イオン様・・・。」
「だから淋しくなっても我慢するんだよ。出来るね?」
「できる・・・です。イオン様がそう言うなら、アリエッタ淋しくても我慢します・・・です。一人でも頑張る・・・です。」
突然のイオンの言葉にきっぱりとそう返事をしながらも、アリエッタはこみ上げてくる不安を隠せなかった。
「イオン様はアリエッタに嘘つかない・・・です。アリエッタ、それを知ってる、です。だから、だからイオン様を信じて待つ・・・です。」
言いながら瞳からボロボロと涙が落ちていた。それを見た彼はとても苦しげな表情になっている。
「─ごめんなさいイオン様!アリエッタ大丈夫、です!!頑張れる、です!!でも、でも、なんでか勝手に涙が出てくる・・・です。ごめんなさい。ごめ・・・」
最後まで言い終わらない内に、突然ぎゅうっ、とアリエッタはイオンに抱きすくめられた。
(一人ぼっちで、まるで捨て猫のような彼女を、この手から離さなければならないなんて。)
イオンの腕は更に強く彼女を包んだ。
それはとても力強く、彼の胸の中で息が詰まったアリエッタは、苦しくてか恥ずかしくてか、真っ赤な顔をして彼を見上げた。
「・・・イオン様、苦しい・・・です。」
その言葉は聞こえなかったかのように、イオンはアリエッタを抱き締め続けた。自分の両頬に流れる、涙を隠そうともしないで。